なぜ腎臓内科か?
体液の恒常性維持の中心的役割を担い、内分泌臓器として造血やカルシウム代謝にも関与する腎臓は生体内で最も重要な臓器の一つです。腎臓の異常は全身の疾患と密接に関連することも多く、腎臓内科医は全身をトータルに管理する力量が問われます。
また、一口に腎臓内科と言っても、体液異常(電解質異常・酸塩基平衡異常・高血圧など)・腎炎・ネフローゼ症候群・腎不全(急性・慢性)・腎代替療法(血液透析・腹膜透析・腎移植)などカバーすべき分野は多岐にわたります。
最近は糖尿病・高血圧などの生活習慣病の増加を背景とした慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)の増加が社会的にも問題になっており、より多くの腎臓内科専門医の育成が望まれています。
内分泌内科のおもしろさ
内分泌内科でみる疾患は一言でいえばホルモン異常をきたす疾患です。ホルモンは身体の恒常性を維持する生命維持に欠かせないもので、多すぎても少なすぎても病気につながります。ホルモンはその受容体を介して全身で作用するので、特徴的な身体所見を端緒に診断・治療をしていくおもしろさがあります。内分泌疾患というとまれな疾患のイメージが先行しがちですが、患者さんの病歴と身体所見を注意深く聴取・診察すると、意外に多くの内分泌疾患が隠れていることがわかります。また、ラボデータの異常、とくに電解質異常を契機に隠れた内分泌疾患を診断し、治療に導けるのも内分泌内科医としての醍醐味です。また、糖尿病や高血圧などの生活習慣病もホルモン異常を伴う疾患であり、現代日本にあってcommon diseaseを適切に診療できる内分泌内科医がますます求められています。